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<Author: 李白>
<Title: 長干行二首 一>
<Format: 樂府詩>
<Year: 1988>
<BookName: 唐詩三百首詳解  上卷>
<Translator: 田部井文雄>
<style: 現代文無假名>
<style2: 日本現代譯文無假名標注>
<TranslatedTitle: 長干行　二首　其の一>
<BookPage: 181>
<UsedPage: 1>
<Feature: 0>
<End Header>
<Poem>
妾髮初覆額，
折花門前劇。
郎騎竹馬來，
繞牀弄青梅。
同居長干里，
兩小無嫌猜。
十四爲君婦，
羞顏未嘗開。
低頭向暗壁，
千喚不一迴。
十五始展眉，
願同塵與灰。
常存抱柱信，
豈上望夫臺。
十六君遠行，
瞿塘灩澦堆。
五月不可觸，
猨聲天上哀。
門前遲行跡，
一一生綠苔。
苔深不能掃，
落葉秋風早。
八月胡蝶來，
雙飛西園草。
感此傷妾心，
坐愁紅顏老。
早晚下三巴，
預將書報家。
相迎不道遠，
直至長風沙。
<End Poem>
<Translation>
わたしの前髪がやっと額をおおっくったばかりのころ、わたしは花を折り取って門の前で遊んでいた。するとあなたは竹馬にまたがって来て、井桁のまわりを回りながら、青い梅の実を手にしておもちゃにしていた。一緒に長干の村里に住んでいて、幼い二人は、なんの男女のこだわりも持たなかった。

わたしは十四歳であなたの妻となり、恥じらいの表情を固くしたままゆるめることなく、頭を下げて暗い壁にばかり向かっていて、いくら呼ばれても一度も振り返らなかった。

十五歳になって、やっと少しばかりにこにことして、あなたとちりやはいが混じり合うように、結ばれ続けようと願うようになった。いつも死ぬまで柱を抱いて約束を守り通した尾生のような信義を守ろうとし続けたのであって、どうして望夫台にのぼって夫をは待つ身になろうなどと思うことがあったろうか。

十六歳の時、あなたは遠く瞿塘峡の灩澦堆に旅立った。そこは、水かさの増す陰暦五月、危険で近づいてはいけないところという。また、その地のさるの鳴き声は、空のかなたのような高いところから哀しく聞こえてくるという。

門の前にはあなたのためらいがちに旅立って行っった足跡が残るが、、その一つ一つに今は緑のこけがむしている。そのこけは深くて、払い除くこともできず、落ち葉も秋風に吹かれて、散るのが早い。陰暦八月、秋も半ばの今 蝶も色あせて黄色くなり、、つがいのままに西の庭の草のあたりに舞っている。それを見るにつけてわたしの心は悲しくなって、何とはなしにわたしの若々しい顔が、老いこんで行くことを憂えてしまう。

いつかあなたが三巴を下る日が来たならば、前もってどうかわたしの家に手紙で知らせて欲しい。お迎えに行くのに、遠いことは問題にしない。まっすぐに遠い長風沙まででも参りましょう。
<End Translation>